札幌市南区 小規模保育園「木育こどもの家」藤野園

札幌市小規模保育事業A型 木育こどもの家は、子どもの心を豊かにする「木育」を取り入れた小規模保育園で、札幌の新川、屯田の2園があります。

令和2年4月から白石、藤野の2園が新規開園で、新川園、屯田園に続き、藤野園も北一タカハシ建設が担当させていただきました。

鉄筋コンクリートのビルの1階にある保育園です。工事前は、中央に柱が一つあるだけのオフィス空間でした。外からも少し、木の雰囲気を感じられるようにガラス張りの内側に板張りなどが見えるように工夫をしました。

エントランスです。室内ドアは建具の職人さんが担当しています。

床材はアサダ無垢のフローリングを自然オイル仕上げ、天井はアカマツや杉の羽目板を施工しました。

100年近く使われていた梁や柱には独特の風格が漂います。北一タカハシ建設はお寺などの改修工事なども日々行っているため、倉庫などに多くの古材がストックされています。

青森のお寺で使われていた柱や梁などの古材を北一タカハシ建設の作業場で、保育園に活用できるように宮大工が事前に加工を行い、今回活用できました。

部分的にオレンジのアクセントカラーを加え、明るく元気な雰囲気に仕上げました。

部屋と部屋は、保育園児の背の高さほどの収納スペースで仕切っています。

北一タカハシ建設は、家づくりでも和室を得意としています。この保育園でも和室の施工ノウハウが活かされています。右の壁にある掲示板は、マグネットボードを使用してクロス仕上げにしているので、がびょうを使わなくても紙などを掲示できるので、画鋲で穴をあける必要がありません。室内の壁は、調質作用のある天然の塗り壁材「珪藻土」を施工しています。

一般的な保育園のイメージとは違うので、見学に来られた親御さんも最初は驚かれますが、しばらくこの空間で過ごすことで、木育を大切にした保育方針、木の香り、優しく暖かい木の感触、木のおもちゃでの楽しい遊びなどが、子どもたちの心理・情緒などの面に良いと感じられる親御さんも多く、既に開園されている新川園・屯田園でも入園の動機になることが多いそうです。

ガラスの色合いを生かしたデザイン性の高い照明

欄間にも職人の腕が活かされています。間接照明で陰影が浮き出るように工夫しています。

現代の住宅では見かけることも減った障子

給食はそれぞれの園の調理室で、調理担当が心を込めて作ります。衛生・機能面重視でプランニングしました。調理室内にいても園児の様子が見えるように窓も配置しました。

小さなお子さんたちが落ち着いて食事ができるように、高さの低い仕切りを宮大工が造作。

お子さんの目線ではこのような感じでしょうか。畳のやさしい感触と香りで、落ち着く空間になっています。

お子さんが使いやすい高さを計算した手洗いスペース。

葛飾北斎 富岳三十六景 神奈川沖浪裏の襖。

ふくろうをモチーフにしたステンドグラス

お子さんたちが触れられる場所に無垢材が使われています。

収納スペースも各所に配置。保育士さんの作業性も重視しています。

照明もいろいろなデザインの作品を採用いただきました。

子供たちが使いやすいトイレも独自設計しています。

藤野園の施工は、釜石 瞬典が棟梁を務めさせていただきました。

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